あゝゴクラク ゴクラク

新年御目出とうございます。今年があなたにも私にもより一層健やかで幸せであります様に念じます。

新しい年を迎えると、誰でも神仏に幸せを祈ります。人情として当然のことでしょう。

しかし、何も彼も神仏頼みで「宝くじ」の大当りまで祈るとなるとこれは問題です。なぜかというと、幸せを築くのはどこまでも、自分自身であることは、いつの時代でもどんな場合でも変わりない鉄則です。「幸せ」が訪れやすいタイプの人と逃げ出すタイプの人があるらしいことにも気が付きます。

私の亡き母には奇妙な口癖の言葉がありました。それは「あぁ、ゴクラク、ゴクラク」の一言です。

一日中働きづくめで、夜になってお風呂に入ったり、布団の中へ潜り込んだりした時などに「あぁ、ゴクラク、ゴクラク」と言っていたものです。

別に深い意味を考えたり、哲学的な思想を持っていたりした訳ではないと思います。ただ、日常の何気ない幸せの一つ一つに有りがたいと感じて「ゴクラク、ゴクラク」の言葉を口にしていたのなら素晴らしいと思います。

極楽という仏教用語は「極安楽」のことであって、いわばこの上ない幸せな世界、スーパーパラダイスの意味です。

一方な人でも悲観的にものを考えて、自分ぐらい不幸な人間はいないと思い詰める人も居ります。不思議なことにこのタイプの人間には不幸が次々と集まって来る傾向があります。

私たち人間にはその仕組みを明確に区別し、分類する力は持っていないのですが、長い人生の経過の中で何となく感じ取るものです。

今年は、生き方を変えたいものです。具体的に言えば、小さな幸せの一つ一つを感じ取って暮らしていくことでないでしょうか…。